犬は嘔吐することが多い動物ですので、嘔吐した後ケロリとしていたり、食欲もいつも通りなら様子を見てもいいでしょう。
しかし1日に何度も嘔吐したり、嘔吐したものに血が混ざっていたり、下痢などの異常も見られるようなら急性胃腸炎とみて間違いはないと思います。
パルボウイルス感染症は別名“イヌのコロリ病”と呼ばれ、仔犬の場合は心筋症を起こして突然死してしまうこともあります。
成犬は腸が犯され、激しい下痢や血便を繰り返しますので脱水やショック、白血球の急激な減少で敗血症を併発して、治療の甲斐なく死に至る例も少なくありません。

感染経路

主な感染経路はウイルスを持つ犬の排泄物が口から入ることによる経路感染ですが、人の靴の裏にウイルスをつけてくる危険もあります。

初期症状

元気も食欲もなく突然、何度も激しく泡沫(ほうまつ)状の粘った液を吐き、黄灰色の水様性の下痢を起こします。

中期~末期症状

トマトジュースのような血液の混じった下痢を繰り返し、日に日に衰弱する。

対策

感染が発見された場合、直ちに犬舎や犬の身の回りのものを、塩素系消毒剤を使用し消毒しましょう。そうして犬の保温を心がけます。
しかし何より重要なのは予防で、ワクチンの接種が唯一の手段です。定期的にワクチン接種などの予防対策をするのが飼い主の義務といえるでしょう。