訓練試験の目的
本協会の施行する訓練試験の目的は第1に繁殖上の見地からシェパード犬の稟性と、知的作業素質を保持増進し、第2にはシェパード犬が社会的、家庭犬としての有能な訓練及び教育を行い、将来実際の使役に役立つ基礎を修得させ、更に進んでは実際面の使役への移行を容易にする見地から、その本質と技能を検査することにある。故に、受験犬に求めることは、知的能力と確固たる禀性、自然的な鋭敏性、充分な信頼に基づく課目の遂行である。
試験の種類
- 特殊階程A・・・服従訓育試験(CDJ)(O-CDJ)
- 第1階程・・・・・・種族訓育試験(ZPr)(O-ZPr)
- 第2階程・・・・・・防衛犬試験(J-SchH)(S-SchH)
- 第3階程・・・・・・警務犬試験(S-PH)
- 特殊階程B・・・捜索犬試験(SuchH)
受験資格
1. 訓練試験は本協会会員の所有する登録犬で受験資格年令は次のとおりとする。
- 服従訓育試験・・・(CDJ)(O-CDJ)満6ヶ月以上
- 種族訓育試験・・・(ZPr)(O-ZPr)満10ヶ月以上
- 防衛犬試験・・・・・(J-SchH)(S-SchH)満12ヶ月以上
- 警務犬試験・・・・・(S-PH)満12ヶ月以上
- 捜索犬試験・・・・・(SuchH)満20ヶ月以上
2. 訓練試験の受験は、第1階程(ZPr)から順次順序をふんで上級の訓練試験に移る。 但し、特殊階程B(SuchH)の試験に限り、第1階程(ZPr)に合格した犬は、他の階梯を合格することなく受験することができる。
注:特殊階程A(CDJ)の資格犬は、第1階程(ZPr)に合格した後、前項の規定に順じる。
※次記の犬は受験することはできない。
- 咬癖犬
- 病犬、その他審査員が不適当と認めたもの
再試験
受験者は一度合格した犬、又は不合格犬につき、他日同一階程の試験を再受験することができる。
但し、同一の受験内における一部の課目だけをやり直すことはできない。再試験を受ける者は改めて、手続きをとり所定の料金を納める。
評価と合否及び訓練資格称号の付与
1. 試験の結果は、得点90%以上V評価(優)、80%以上SG評価(特良)、70%以上G評価(良)の評価を与え総合得点G(良)以上をもって合格とし、次の訓練資格称号を与え合格証書を交付する。但し、警務犬試験(S-PH)は年度日本訓練ジーガー競技会に於いて総合得点80%以上(SG)以上の犬に付与される称号である。
- 服従訓育試験合格犬・・・CDJ・O-CDJ
- 種族訓育試験合格犬・・・ZPr・O-ZPr
- 防衛犬試験合格犬・・・・・J-SchH・S-SchH
- 警務犬試験合格犬・・・・・S-PH
- 捜索犬試験合格犬・・・・SuchH
2. 年度日本訓練ジーガー競技会において総合得点80%(SG)以上を獲得した犬にはS-PH、ランデス及び地区訓練ジーガー、並びに年度アマチュア訓練ジーガー競技会において総合得点80%以上(SG)以上を獲得したZPrの犬にはS-SchHの特別訓練資格称号を付与する。O-CDJ、O-ZPrは公開訓練試験において総合得点70%(G)以上を獲得した犬に付与する。尚、年度日本訓練ジーガー(ジーガーG)、ジーゲリン(ジーゲリンG)獲得犬は血統書の評価欄にT.S(T.Sg)、T.Sn(T.Sng) が印字される。
3.訓練資格称号は犬名の一部を構成するものであって、登録番号の次に常に付加記載する。現在、訓練資格をもつ犬であって更に上級の試験に合格した時は前段の称号は抹消する。但し、捜索犬試験合格の称号(SuchH) は併記する。
4.訓練資格称号は無料で登録台帳及び血統書に記入する。
5.審査員は稟性上の欠陥顕著と認めた犬に対しては、試験の総合成績の如何にかかわらず不合格とすることがある。尚、後日においても稟性欠陥顕著或いはその資格なしと認められるときは、既得の訓練資格を取り消すことがある。
6.異議の申立て 審査の判定に対しては異議を申し立てることはできない。
7.損害に対する責任 受験犬によって引き起こされた人、及び他の動物、物件等に対する被害の責任は、指導手又は所有者が負うものする。
試験の順序
全ての試験は原則として嗅覚作業、服従作業、防衛作業の順に行う。
命令用語
この規定に記載した命令用語は標準的に例示したものにすぎない。従って、用語は指導手の任意とするが、課目別に定められた声視府は適切に使用するものとする。